札幌豊平区『MEN-EIJI HIRAGISHI BASE:麺エイジ 平岸ベース』(2回目の投稿)

『MEN-EIJI』の定番メニューは既に掲載済みですが、期間限定ラーメンを数多く提供しているので、その一端を紹介します。かなりのペースで出しているので、本格的なラーメンマニアでなければ全種類を制覇できていないと思われますが、残念ながら私は僅か6種類しかご紹介できません…

●「ゴンブト味噌ラーメン」2013年01月

濃厚豚骨魚介スープに風味の良い味噌ダレが合わさっていて、ニンニク・生姜、僅かに山椒の風味も感じる香ばしくて旨みが深いスープになっています。
麺は自家製麺の平打ち極太麺に手揉みが加わった、ビロビロっとした外見。(以前ここの美人女将が営業していた『煮干しラーメン AG』で使っていたものに類似)
この麺が秀逸で、適度なコシがあって喉越しはチュルンチュルン、手揉みの縮れによってスープをしっかり持ち上げて来ます。濃厚スープに負けないシッカリとした麺の旨味は見事と言う他ありません。
具材はバラ肉チャーシュー・メンマ・炒めモヤシ・カリカリの細かいポテチ・小葱です。(ポテトチップスがトッピングになるとは…)
欲張って追加したチャーシュー飯は、お肉が三枚も載っていて、魚介ジュレと小葱のアクセントでワシワシ掻き込めましたが、私の年齢ではチャーシューは二枚で充分だった…

■「ゴンブト味噌ラーメン」は一見普通の味噌ラーメンですが、チャーシューの上側にポテチの細かいのが載っていてビックリ

■ビロビロっとした感じの平打ち手もみ麺が、何とも好い食感でした

■糸巻きバラチャーシューにタレが掛かっていて、その上に粗挽き胡椒をガッツリ振り入れています

●「R&A MEN」2014年06月

豊平区でラーメン店を営む若き店主たちによる「指定食材縛りで新しいラーメンを創出する、豊平アクション」の限定ラーメンなんですが、この時の食材テーマは「ラム」と「リンゴ」でした。
スープは勿論ラム骨から取ったものに塩で味付け。アッサリながら旨味があるスープからは、羊独特の匂いはしません。
ドンブリ中央に、リンゴの甘酸っぱさ+赤ワイン風味のソースがかかった低温調理のラムチャーシューが二枚。その他の具材もユニークで、青みのクレソン・旨味を凝縮したジュレ・ラム肉ワンタン・何故か長芋の拍子木切り、小皿にはリンゴを使ったエマルジョン(乳化)ソースと言った、変わり種のオンパレード。
ツルッツルっとした滑らかな色白の中太麺は、ムッチリ・モチモチの噛み心地で、小麦の自然な甘さを感じる美味しい麺です。
「ラム」と「リンゴ」を随所に使った変わり種ながら美味しい一杯でしたが、実に原価が気になる(心配な)限定ラーメンでした!

■知らない人が見たらちょっと変わった塩ラーメンでしょうが、ラムとリンゴを使ったこれは、もう二度と食べられない…

■ちょっとだけ平べったい中太麺は色白で、ムッチリ・モチモチの食感

■レンゲに載ったものがリンゴと思ったら、長芋の拍子木切りでした(何故これを使ったのか?…)

 

●「ビーフカレー・オリジナルスパイス味噌、ゴンブト麺にココナツオイルのビシソワーズのAWA#2」2016年04月
これはラーメン屋さん5店で実施したスタンプラリー方式の「AWA(泡:エスプーマ)企画」のもので、当店は4軒目でした。余談ですが、後日5軒目『琥張玖』で全店完走となりTシャツを頂きました。
券売機には「AWA#02 1000円」と書かれた説明が貼ってあって、当店の泡の色は「ホワイト」。他店では、グリーン・ピンク・ブラック・オレンジが割り当たっていました。(例:グリーンは『雨は、やさしく』が担当で、抹茶のエスプーマでした)
このラーメンの長い命名からも伺えますが、店主のブログには「非常に拘りを持って開発した」との事です。
ラーメンの表面を見ると一面が純白の泡で覆われていて、この中はどうなっているのだろうとワクワクさせる演出です。この泡はビシソワーズなので他の4店よりも粘度が高くてフワフワ。泡の下は、カレースパイスによって味噌感が円やかになったスープで、辛味よりも旨味が強いですね。
これに合わせた麺は平打ちの極太縮れ麺ですが、「ゴンブト味噌ラーメン」の麺よりも厚みがあり、モチュッとした食感がカレースープにバッチリでした。
泡に隠れていた牛肉はかなり煮込まれていて、別盛りにして貰ってビールで流したくなるヤツです。
「兎に角、旨い旨い」と一心不乱に食べていると、アッという間の完食でしたが、これには〆にスープへドボンする小ライスが必要でしたネ…

このラーメンには1000円以上お支払いしても良い完成度でしたが、カレー味のラーメンを定番メニューに入れて欲しいと言うのが本音です…

■ドンブリを覆い尽くす白いビシソワーズの泡。右半分にはカレー・スパイスがサラサラっと掛かっています

■幅広で厚みがある平打ち縮れ麺は、食感がもチュッとして個人的には好みです

■泡を作るエスプーマ・マシン(今はきっと『DUCK RAMEN EIJI』の塩ラーメン用に活躍している筈です)

 

●「冷たいアメケーヌ、レモンとアボガドのAWA#3」2016年06月

今回の「AWA(泡:エスプーマ)企画」で頂いたのは、相変わらず長い名前の「冷たいアメケーヌ、レモンとアボガドのAWA#3」で、前回の「ビーフカレー・オリジナルスパイス味噌、ゴンブト麺にココナツオイルのビシソワーズのAWA#2」よりは、何となくイメージが湧きました。
出て来たのはつけ麺スタイルですが、レンゲに盛られた真っ白い泡にビックリ。なる程、これがレモンの泡か。
つけ汁には、エビの殻を炒めて甲殻類独特の旨味とコクを堪能できるアメリケーヌ・ソースを持って来ました。レンゲの泡と緑色のアボガド・ペーストをアメリケーヌ・ソースへ投じて、冷たく締まった白っぽい太麺を絡めながら啜ると、私が持ち得る語彙では「メチャ旨し」としか表現ができません。以前食べた、フレンチ・シェフが作る『蝉吟 /せんぎん 』のえびつけ麺よりも、さらにエビの旨味が凝縮した濃厚ソースが印象的。
いやはや、ホントここの店主は拘り性+凝り性です。この一品も、一杯当たりの原価が幾らになっているのか気になりました…

■麺が入っているドンブリの具材が面白い!(アボガド・ペーストの右は昆布・牛蒡・マッシュルーム)

■アメリケーヌ汁に麺を適量入れてから、具材を添えてズルズルっと行くと汁の旨さにビックリ!

■券売機に貼けられた限定メニューのご案内です(う〜ん、大盛りもあったんだ…)

 

●「海苔BLACK」2017年05月
限定「海苔BLACK」と聞いて、富山県名物の真っ黒な醤油ラーメンへ横浜家系の様に板海苔を何枚も載せたものかと、勝手に想像しましたが全然違っていました。
「海苔BLACK」には、北海道で唯一海苔を生産してるサロマ湖の谷川水産謹製「素干しのり」を使用。その海苔を溶かしたオイルがスープ上に漆黒の層を作っています。漆黒の層の下には茶色い煮干し主体のスープが隠れていて、海苔の層と混ざり合うと風味がググッと増します。
自家製麺のストレート中細麺はツルツルっとした食感で、海苔が付着して来るのでこれまた好い風味を感じます。面白いのはスープの端に浮いた”揚げた米”で、店主の遊び心で「海苔茶漬け」の”アラレ”としてあしらったのでは…

当店はミシュラン・ビブグルマン2017を受賞しましたが、個人的にはラーメンを楽しませてくれる創意工夫とその味には、「星一つ」以上は差し上げたいです。

■見た目は「富山ブラック」ですが、良く見ると溶けた海苔(オイル)が浮いているのが分かります

■中細ストレート麺もチャーシュー等の具材にも海苔が付着して好い香りです

■貼り紙に「海苔オイルが入った」と書かれていますが、オイルと言うよりは溶けた海苔そのものです

 

●「かわいふぁーむの野菜たっぷり冷やし中華 」2017年07月
当店の限定ラーメンは長いネーミングが多くて、これは「かわいふぁーむの野菜たっぷり冷やし中華 」と言い、ラーメンの説明が出ていて分かり易い。
赤い大きなドンブリの冷やし中華は、ネーミング通りに具材が満載でチャーシュー・牛蒡・ズッキーニ・胡瓜・人参・大根・モヤシ・トマト・レタス・蕪が麺を覆っていて全く見えません。
味付けは、ドンブリ底の中華風タレ・野菜の傍の鰹出汁ジュレ・自家製マヨネーズが配されています。いきなり全体を混ぜ込まないで、先ずは中太麺に中華風タレを染み込ませて麺の旨さを楽しみます。その後はマヨネーズで野菜を食べて、中盤以降は鰹出汁ジュレを全体に混ぜ込んで行く、三段階の食べ進め方で無事完食です。
結構量が多くて腹パンになりましたが、北海道名物「ラーメンサラダ」の高級バージョンを食べている様な気分に陥り、「ラーメンサラダ」には付き物のビールが無性に欲しくなりました。

■赤い大きな器にゴッソリと具材が盛られていて、麺は手前の方に僅かに見えているだけ

■手前のマヨネーズで野菜を頂くとマジ美味かった(単純にサラダも楽しめます)

■先ずは麺を楽しむために、ドンブリ底の中華タレを麺を馴染ませて頂きます(いきなりかき混ぜない)

■限定の冷やし中華を食べた、7月の店前の様子

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